ケルヒャー高圧洗浄機の自吸並み給水装置


ポストの支柱、フェンス、ウッドデッキ、室外機カバー、アプローチ、踏み石、芝生、ブドウだな、
つまり我が家のエクステリアのほとんどが手作りだ。
今回それにケルヒャー高圧洗浄機用の給水装置が加わった。



 ジャパネットたかたで購入した高圧洗浄機ケルヒャーJTK28は、直接水道につないで使用することになっている。これまでも風呂の残り湯をサイフォン状のホースで屋外の給水タンクに受けて、庭の水やりやら洗車に使ってきたが、この水を高圧洗浄機でも使わなければ勿体ない。

 JTK28で汲み置きの水をも使用可能にするにはどうしたらいいだろうか。まずケルヒャージャパンのホームページ http://www.karcher.co.jp/jp/Home.htm で調べてみた。JTK28はジャパネットたかたのオリジナルだそうで、この型番に関する情報は無いが、自吸式のポンプを備えた機種もあるとのことだ。しかし今さら買い替えるわけにはいかない。自吸式でない場合は、別途サクションホースを購入する必要がある。わがJTK28は、そのタイプだ。

 ジャパネットたかたからサクションホースとフィルターのセットを取り寄せた。送料を入れると7,967円とけっこう高額だ。問題はホースの使用方法だ。本体内部とサクションホース内に空気が残らないようにそれぞれに呼び水をする。本体には水道から目一杯の水量で注水し、サクションホースは溜め水の容器の中で空気抜きをしなければならない。しかる後、本体にフィルターを取り付け、ホースを接続して使用するわけだが、巧くいかなかった場合は、もう一度最初からやり直さなければならない。巧くいく確率は人や条件によって異なるだろうが、私の経験では、何と4回に1回しか成功しなかった!失敗の主な原因は、ホースやフィルターの取り付けに手間取ったり、逆流防止弁が溜め水の外に出てしまったりして、空気が入ってしまったことらしい。

 同じ失敗を繰り返す中で、風呂の水を汲み出す要領でサイフォン方式にしたらいいのではないかと考えた。無ければ作るというのは困った癖だ。まず結果報告から始めると、大成功だ。写真のとおりで、外観も構造も簡素、費用も少ない、使ううえで失敗が無い、水は再利用だからランニングコストは電気代だけ。こんな素晴らしい方法を独り占めにするのは勿体ないと考えて、作り方、と言うよりも、失敗を含めて作ったプロセスを公開することにした。なおこの方法は同一規格のジョイントを使った高圧洗浄機ならケルヒャー以外でも使用可能だろう。商品化を計画する人がいても構わないが、その際は一声かけて欲しい。試作品を使わせてもらいたいから。

完成図

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給水タンク

 これまで使っていた20リットルのポリタンクが、ある日突然破けてしまったので、近くのホームセンターで23リットルのものを698円で購入。大きな口もあるのが気に入った。ここに引っ越して7年になるが、給水タンクはこれで4個目である。あるときは10リットル入りのものが持ち上げたとたんに壊れて、びしょ濡れになった。再生した素材を使っているせいだろうか、案外脆い。願わくはこの23リットルが、私を襲わないことだ。


材料の調達

 材料を調達する前に、どういうものを作るかをしっかりイメージしていなければならない。横にした給水タンクから落差によって洗浄機本体に呼び水を送り込んだ後に、タンクを立ててサイフォンの原理で使用する。ちょうど灯油を汲み出すポンプのような形式だ。もしかすると石油ポンプにホースをつないでコネクターをつければ、それでも利用可能ではないかとも考えられる。しかしそれではフィルターも無いし、第一余りにも工夫が無い。

 タンクを横にして洗浄機に呼び水を行なうにはしっかりしたパッキンが必要である。タンクのキャップの口径にあったパッキンが無ければ、自作することになる。結局合うものが無かったので、パッキン用のゴム板を238円で購入。

 ホースと本体やタンクをつなぐジョイントが必要だ。ホースの内径を15ミリメートルに統一して、ジョイントニップルとコネクターの不足分を整える。ジョイント1個498円、コネクター1個998円。コネクターはストップ機能付きしか無く、少々高額だ。以上合計2,432円也。

 ホースは風呂の水をサイフォンで汲み出すのに買ったものが2メートルほど余っていたので、それを使うことにした。吸引や加圧に対応したものではないが、本体の吸引力とタンクからの落ちる水量に大差が無いと判断した。実際に使用して気づいたが、タンクを立てたときにホースの向きが変わるところで折れてしまう。上向きから下に向き変わるところに、スプリングのような何らかのねじれ防止を講じるか、折れにくいホースに変えるかする必要がある。



パッキン

部品  パッキン用のゴム板を大まかにカットして、キャップに巧くはまるようにカット&トライを繰り返す。ゴムを鋏で微調整するのはやや面倒だが、ややきつくはめられる程度で完成とする。

ジョイントニップル ニップルの内側  パッキんをジョイントニップルではさみ、キャップの穴を通すのだが、穴がわずかに狭い。そこでニップルの周りをサンドペーパーで削って、ほんの少しゆとりを持って通るように調整する。左端の写真で削った跡が確認できるだろう。その右の写真はニップルの内側である。 閉じる



ストレーナー

ストレーナー全体 金網のストレーナー  何しろ風呂水の再利用だから、たとえ夫婦二人だけでも多少のゴミが無いとは言えない。そこでちゃんと濾過する方法を考えた。熱帯魚の水槽のストレーナーも有りだが、できるだけ費用を節約したい。最終的には、左の写真の行灯型に落ち着いた。ここではフィルターからジョイントまでのセットをストレーナーと呼ぶことにする。ホースの先端にダイソーで買った金網を巻いた右の写真のものも試作した。性能は十分だったが、使った後で洗う際に、針金の一部が刺さって痛いので欠格である。
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行灯型のストレーナー  ストレーナーのフィルターを巻く部分の材料は、古くなった半田ごての台である。ただ太さが問題で、ポリタンクの穴を通らなければ使い物にならない。そこで切って金槌で太さを調整したのが左の写真だ。吸水する際にホースが底に吸い付かないように、ある程度以下には下がらないように針金で留めた。
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フィルタ^をつけたストレーナー  フィルターにはこれまた古い使い捨てのマスクを転用した。右の写真のように、ただ巻き付けて、上下を輪ゴムで留めただけだが、性能は非常に良い。子年生まれのせいかもしれないが、要らなくなったものを捨てずにとっておく癖があるが、再利用できたときは実に楽しい。



使い方

半自吸式給水タンクのセット  出来上がりは写真のとおり。使い方は至って簡単だ。まずポリタンクにフィルターを巻いたストレーナーを取り付ける。大きなキャップは、水を満たしたタンクを運ぶ際と、使用しないときだけ取り付けることにし、それ以外は外しておく。水は、タンクを横にしてもこぼれない程度に入れる。このタンクなら、20リットルというところだろう。もし商品化するなら、キャップに逆流防止弁をつけて、外から空気が入るが中の水はこぼれないようにするとよい。蓋に小さな穴を開けて、内側に適当なフィルム素材を取り付ける方法を試みる予定だ。
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サイフォンでの水汲み 水汲みセット  水は何らかの方法でタンクに汲み入れる。我が家ではホースに錘りをつけたものを風呂に沈めて中の空気を抜き、写真にある大きなクリップで空気が入らないようにして窓を通して戸外でタンクに受けている。単純な構造だが、使い勝手は非常に良好だ。
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本値との接続  水を入れたタンクを一段高い位置に置いてから、高圧洗浄機に接続する。タンクを横にした際に、水が本体よりもいくらかでも高くなるならば、同一平面上に置いても全く差し支えない。続いて写真のように、ストレーナを取り付けたキャップが下になるようにタンクを横にする。何分にも手作りパッキングのため多少の水漏れがするが、コーキングで補強することにしよう。この状態で本体に電源を接続し、スイッチをオンにする。噴出口から勢いよく水が噴射されたら、一旦スイッチを切って適当なノズルを取り付ける。これで使用可能だが、念のために水を足すことも考えておこう。

使用例 使用スタンバイ  タンクのキャップが上になっていれば、水の補給は容易だ。折れにくい素材のホースを使えばその心配は無いだろうが、この例では落差でホースが折れてしまう。近々折れにくいホースに取り替える予定だが、取りあえずは、右の写真のように吊る必要がある。いずれにしても、タンクの水が底をつく前に、別のタンクなどから水を足すことができる。これで汚れのひどい車の洗車も、引き続いてのデッキの掃除も心配ない。
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 作業終了後は、タンクを空にし、ストレーナーを取り外して逆さにし、完全に水切りをする。水を入れたままだとアオミドロが生えるし、水気が残っていると、カビが生える。ここで使っているタイプのものは、大きな口から手を入れて清掃できるので万一そうなっても後が楽だが、手の入らないタイプのものは、十分乾燥させておく必要がある。



その後の改良

ストレーナー組み立て前 ストレーナー完成図 改良したホース 蓋の逆流防止弁  その後3点の改良を加えた。ストレーナーの鉄から錆が出るので、接続と柔軟性の保持も含めてホースの一部を残し、アルミパイプに変え、フィルター部分にステンレスの針金を巻いて取り付けた。そのうえでパッキング部分とアルミパイプとの接続部分をシリコンコーキングで補強し、フィルターに換気扇用のフィルターを転用した。その他は予告どおりで、ホースを折れにくいSKソフトブレード12×18に変え、大きなキャップに穴をあけて、その内側にフィルムをつけた。4ミリ程度の小さな穴だが、空気の通り道としては十分である。ホースは内径が15ミリのものを考えていたが、12ミリのものしか手に入らなかったので、コネクターも適合するものに変えた。なお本体とタンクを同じ高さに置くなら、ホースは1メートルでもよい。追加支出は、ホース2メートル640円、コネクター2個1,196円。アルミパイプは有り合わせのものを使った。ストレーナーとホースのセットで、十分商品化が可能だろう。
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使用スタンバイ 呼び水中 本体に取り付け  右の3枚の写真は、左からホースを取り付けたところ、呼び水のためにタンクを横にして電源を入れたところ、いったん電源を切ってタンクを最初のとおりに立てたところ。この段階でノズルを装着して作業に入ることができる。逆流を防止したので、蓋をつけたまま、つまり満タンでも呼び水ができる点が大きい。タンクを数段高く設置すれば、呼び水をしなくても使用可能であることは確認したが、年配者には重くて大変だった。また多少なり空気が残ると効率が悪くなるので、呼び水をするほうがずっと楽だ。
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課題

 給水タンクに半自吸式の給水セットを取り付けるという目的で以上のものを作った。では風呂やプールの溜め水でも使えるかというと、じつは使えない。それを可能にすることは、技術的にさほど困難ではないはずだ。逆流防止弁をフィルターとホースの間にセットすれば、理論的には十分だと考えられる。ただ問題点は、逆流防止弁の製作は個人的には不可能ではないが、素材と道具の不足から困難であることと、風呂などの溜め水の付近には、本体の呼び水に使える水道栓が無いことだ。

 逆流防止弁の外径が給水タンクの口を通る大きさに作り、ストレーナーをタンクに装着できるようにすれば、呼び水の問題は解決する。給水タンクから本体に呼び水をした後、ストレーナーをタンクから取り外して風呂などに沈めれば、使用可能であろう。もし商品として給水ユニットを開発するなら、ホースを柔軟性のあるサクションホースにした上で、ここまでは実現して欲しい。逆流防止弁の外径が大きくなるようであれば、給水タンクそのものも商品の一部に加えればよい。その場合、タンクの素材を耐久性のあるものにし、タンク内を洗浄可能な形態にすることが望ましい。



逆流防止弁

 逆流防止弁をつけたストレーナーも自作した。町内の燃えないゴミの収集場所で加湿器を見つけ、この給水タンクを受ける部分が使えそうだと考えて拾ってきたのだ。弁は、プラスチックの中央の凹みにお椀状のゴムのついたもの。周りを切り落として、使用した。しかし円盤状のものを筒型に加工し、パイプなりホースなりを取り付ける材料が思いつかない。あれこれ考えた末、プリンターのインクの詰め替えに使った大きな注射器のようなものを加工することにした。適当な長さにのこぎりで切って、シリコンゴムの弁に穴をあけてパイプを通し、シリコンシーリングで固めた。

逆流防止弁 逆流防止のストレーナー   間抜けなことにシーリングしてから気づいたことだが、給水タンクの口とほぼ同じくらいの径なので、フィルターを受ける針金を巻くことができないばかりか、抜き差しも容易ではない。そこで小刀で大まかに削って、粗い紙ヤスリで仕上げた。フィルターの濾過面積が狭くなるので、切り込みの部分を広くして補うことにした。これなら最初に考えたように、灯油ポンプの2つの弁のどちらかを改造するほうが容易だったろうし、フィルターの装着も可能だったのではなかろうか。アイディアとしては、パイプにビー玉を入れることも浮かんだが、実現しなかった。自作派には色々試して欲しいものだ。
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自吸終了 自吸準備 呼び水準備  水道から呼び水できない環境を想定して、実際に運用した結果が右の写真である。酒蔵で「タメ」と呼ばれるステンレスの容器に水を18リットル入れて用意し、有り合わせのもので作った台車に乗せてあるある。真ん中の写真は、呼び水をしてからストレーナーをタメに移したところ。右端の写真は、洗車終了後のタメ。ここまで使っても吸水は大丈夫だった。

逆流防止弁  ケルヒャーのサクションホースと同様に、溜め水に沈めることで呼び水することも可能である。タメのような横幅の小さい容器からの吸水を考慮して、アルミパイプを必要最小限にし、柔軟なホースに変えてみた。写真のアルミパイプの部分に鉛などで錘りを作れば、半自吸式の給水装置として、十分な完成度だと自信を持っている。しかしなぜ、こんな簡単で使い易いものが商品化されていないのだろうか。不思議に思えてならない。
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使用例

泥の蜂の巣  我が家の西側の、シャッターと窓枠の間に泥の塊のようなものが2つくっついているのを女房どのが見つけた。脚立を持ってきて、金ベラでこそぎ落としてみると、小さいながらも蜂の巣だ。近くにアシナガバチが1匹飛んでいたので、アシナガバチの巣と思われる。ウィキペディアで調べると、アシナガバチの巣は泥ではないようなので疑問が残るが、蜂であることは間違いないし、足を落として飛ぶ姿はアシナガバチだ。
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 ケルヒャー高圧洗浄機の出番だ。そこは水道の栓からだいぶ離れているので、給水タンクにストレーナーを取り付けて使うことにした。実のところ水道に直結して使うことはほとんど無いが。巣の住人と思われる蜂が1匹周囲を飛び回っていたので、刺されないように注意しながら吹き付けた。見事な洗浄力で、泥で作った巣の痕跡は、ほとんど残らなかった。しばらく放置して、乾いてからシリコングリスを塗って、泥が付かないないようにした。


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