姉妹サイト 美味工房 ごみ工房 からだ工房 フォト工房 住まい工房 日本語工房 英単語工房 画像掲示板

そうだ、も一度ドドメ食いに行ご!

(ソーダ モイチド ドドメ クイニゴ)

- 桑を植えてドドメを収穫し、ジャムやサワーを作ろう -


庭のドドメ  ドドメって知っていますか?と、実家を遠く離れて群馬で研究をしている若者に聞きました。知らないとのこと。故郷では桑の栽培が行われていないんだそうです。知らないのも無理ないと思ったら、地元群馬の若者も知らないそうです。養蚕の衰退とともに、桑は忘れられたんですね。

 ドドメは主に関東地方の方言で、桑の実のことを言い、人によっては桑苺(クワイチゴ)とも、最近では英語に置き換えてマルベリー (mulberry) とも言います。子供の頃、戦争中から戦後にかけての話ですが、夏の初めのドドメはちょっとしたごちそうでした。竹でドドメ突きという道具を作ってジュースを飲むんですが、あちこちドドメ色に染まって、人様の畑に入ってはならない、それにドドメで衣服を汚したら洗濯しても落ちないのだと親に叱られたものです。内緒で食べても、必ずどこかを汚しましたから、親には直ぐにばれてしまいます。甘酸っぱい懐かしい思い出ですが、老年期になった今、この思い出を自分の手で再現しようと思い立ちました。禁断の木の実ドドメを食べたいという、子供じみた願望です。先ずは桑の木、マルベリーを植えることからはじめました。 サブウィンドウを閉じる
(写真は黒く熟した庭のドドメ。2008年6月7日撮影)



メインウィンドウの写真をクリックすると、サブウィンドウに拡大表示されます。
写真を載せてある段落の サブウィンドウを閉じる をクリックすると、そのサブウィンドウが閉じられ、
リンクをはってある段落の リンクを閉じる をクリックするとリンクのページが閉じられます。
ボタンから開くサブウィンドウは、付け足しのコメントです。
サブウィンドウ以外をクリックすると閉じます。
写真は、次に開いた同じサイズの写真で、リンクは次のリンクで入れ替わりますから、
後からまとめて閉じることができます。

検索エンジンで来られた方は、ここからインデックスを開いてご覧ください。
なお、メインウィンドウをモニターの左端から多少離して開いておくと、
写真やリンク先のページが見やすくなります。


      

 

ドドメの成る木を植えるのだ!

 レンガとコンクリートだらけだった旧居からここ芳賀に引っ越すことが決まって、我が家に桑の木を植えようと思い立ちました。確実にドドメの成る桑の苗をどこで手に入れたらいいのでしょう。迷った末、「日本絹の里」で尋ねたところ、群馬県蚕業試験場で頒布するとのこと。早速問い合わせて、品種を「フィカス」に決めて3株申し込みました。 リンクを閉じる

桑の苗  往復はがきでの申し込みに対する返事が左の写真です。全国108名の申し込みに対して、延べ756本を頒布しています。2006年3月22日、勇んで受け取りにいきました。(群馬県蚕業試験場は、その後他の機関に統合されたもようで、ウェブサイトも無くなっています。しかし果樹としての桑苗を販売している会社の名前と電話番号が葉書に載っていますから、桑を植えたい人は参考にしてください。) サブウィンドウを閉じる

 苗木というと、例えば植木屋さんやグリーンセンターなどで見かけるような、「麻布などで巻かれた土の塊の上に幹があって、葉っぱのついた小枝のるもの」を描くでしょう?それが桑の苗は、がっかりするほど単純なんです。長さ1メートルほど、「私の親指ぐらいの太さの幹らしきものに、むき出しの根っこらしきもののついただけの貧弱なもの」です。がっかりしたせいか、写真を撮るのをうっかりしました。

 苗と一緒に植え方や管理の仕方を書いた紙を貰いました。「 桑の苗木をご購入された方へ」「桑の実収穫用の桑樹栽培について(一般の方用)」「桑の実収穫を目的とした桑樹剪定方法」の3枚です。もし桑の木を植えようと思う方がいたら、必読です。ガーデニングや家庭菜園に興味のある方にも、施肥、剪定、病害虫処理など、きっと参考になることがあるでしょう。 説明書のウィンドウを閉じる

 桑の苗 桑の苗 桑の苗    説明書のウィンドウを閉じる

貧相な庭
貧相な庭  我が家の貧弱な庭をご覧ください。2006年3月10日、桑を植える2週間ほど前の写真です。フェンスは、数日前に自分で結ったものですし、ポストのスタンドは、手すり用のパイプで立てました。植えてあるのは旧居から持ってきたオモトだけ。大きい植木鉢にはラベンダーがあって、これは桑苗と一緒に卸しました。これを手始めに、庭は次第にプチ・ジャングル化していきます。その後の様子は『ウッドデッキを作るのだ』や『庭のスミレたち』でご覧になれます。 リンクを閉じる サブウィンドウを閉じる

 苗どうしの間隔を2〜3メートル取るようにと書かれていますが、狭い庭のことゆえ、1.5メートル間隔で我慢しました。これが2年後の今、大失敗と判明しました。木の間に入ってドドメを収穫するには、確かに最低2メートルは必要です。真ん中の1本を抜かなければなりませんが、根の張りようがすごいので、苦労すると思います。

貧相な庭  苗を植えたら、地上20センチで切ります。これで大丈夫かなと心配になりましたが、数週間後には葉が出てきて、5月初めにはドドメが成りました!正確には桑の花ですが、花が終わるとそのまま実になります。同じ桑科のイチジクも、花だか実だか分からないですね。 サブウィンドウを閉じる

 

ちょっぴり緑になった庭 ちょっぴり緑になった庭  引っ越して半年後の6月になると、庭の草木もだいぶ増えてきました。桑も枝を3本ずつ広げて上へ上へと伸びていきます。秋には高さ3メートルにも達し、近所の人たちに訝しがられました。子供のころの思い出が忘れられなくて、ドドメが食べたくて植えましたと言うと、納得したような、しないような反応が返ってきました。 サブウィンドウを閉じる


2年後の庭 2年後の庭  それから2年後の様子をご覧ください。写真左は収穫をはじめる直前のもの、右は収穫を終了して6月17日に剪定した直後のものです。いやぁ、プチジャングルで、ドドメを摘もうにも足の踏み場がありません。初期の目的は完全に果たし、ドドメの成る木は、1年後に2キロ強の収穫をもたらし、2年後の今年は14キロを超える収穫をあげました。 サブウィンドウを閉じる


その後の桑の木  諸行無常、この世の全てのものは、移ろい変わります。我が家の桑の木も、私が欲張って間隔を詰めて植えたために、記念すべき収穫を後に真ん中の一本を除却しなければなりませんでした。涙ながらに切り倒しましたが、それでも来年の収穫は10キロを下らないと目論んでいます。捕らぬ狸の皮算用でなければいいんですが。 サブウィンドウを閉じる






 

ドドメを収穫するのだ!

 苗を植えたその年に成ったドドメは、極めてわずかです。言わば実の成る桑の木ですよという自己証明のようなものでした。成るという証拠は私には嬉しいことですが、養蚕のための桑の場合、葉を蚕に食べさせるには、ドドメは却って邪魔物でした。養蚕農家では、実の成らない木を選んで植えていたそうですが、大木、老木となると、実をつけるんだそうです。わずかに残された桑に実の成る木が多いのは、そのためだと聞きました。

1年後の桑の花 1年後の桑の花  植えて1年後の桑の花と、収穫数日前の5月31日の写真をご覧ください。記念すべき収穫の初日は、2007年6月1日でした。最初の収穫を神棚に供えて、灯明を灯し、二礼二拍手一礼しました。いい年して稔りへの感謝の表し方を、他に知らないんです。  サブウィンドウを閉じる

 私の出た高校の校歌に「心暇無き桑の弓」という表現があるように、桑の枝は、真っすぐで弾力があります。そのうえ伸びに伸びていますから、枝を片手で引き寄せて、もう一方の手で摘み取らなければなりません。摘んだ実をどこに置くかですが、これも歌にヒントがありました。童謡の『あかどんぼ』です。

山の 畑の 桑の実を
小籠に 摘んだは まぼろしか

 そうだ、ウェストポーチのようなものを作って、そこに入れていけば良い。そこでポリ袋を開いた状態で、腰に着けるようにしようと結論しました。無ければ作る、というのが我が家の基本姿勢ですから。

 我が家には工作用にステンレスの針金を用意してあります。まげて形作るには少々腕力が要るが、簡単には元に戻らない程度の太さです。その針金を使って輪を作り、一筆書きのようにして、ベルトに引っ掛ける部分からスタートして、輪の部分、下の受けを置く部分、立ち上がってベルトの引っ掛けかぎで終わります。下の写真がそれで、左から、骨組み、ポリ袋を取り付けたところ、ベルトに着けたところです。下の受けには、生CDのケースの蓋をベルクロで取り付けて、袋の縁はクリップで留めて、滑り落ちるのを防ぎます。

ドドメを入れる小篭 ドドメを入れる小篭 ドドメを入れる小篭  そんな格好悪いものは嫌だとお考えの方には、プラスチック製のフック付きバスケットがあります。18センチ×12センチのものが手頃でしょう。100円ショップで見かけました。フックが2個ついていて、ベルトに引っ掛けられます。ブルーベリー摘みにも活躍すると思いますよ。 小篭のウィンドウを閉じる

沼の畔のドドメ  右の写真は、家の近くの沼の畔の桑の木のドドメです。写真からすると大粒のようですが、カメラマジックのせいで、実際は平均1グラムという小粒です。ですから、28日のように400グラムも採れると、後処理がたいへんです。いえ、後どころか、もし片手に袋を持って、その手で枝を引っ張っていたら、採れたドドメを袋に入れるのには、枝を離さなければ成りませんから、400グラムなんて採れるものではありません。小篭が大活躍したことが、お分かりいただけましょう。 ドドメの写真を閉じる

収穫第1号  今年庭で収穫した第1号は、先日(2008.5.29)収穫した11粒です。冷たい雨が続く中ですが、来月になって晴れた日には何倍もの収穫があげられると思います。粒の大きさと目方はまちまちですが、写真でご覧のように、合計で45グラムですから、平均4グラムです。沼の畔のものが平均1グラムですから、格段に大きいものです。 収穫第1号を閉じる

実の大きさ比べ
 左が沼の畔のドドメ、右が我が家に成ったドドメ。大きさの違いがすごいでしょう?作業効率から言ったら、断然我が家のフィカスですが、野のものをタダで採ってくるんですから、やっぱり止められません。2008.6.1は、前日、前々日が雨で採れなかったので、716グラムも収穫しました。梅雨入り後3日目の6月5日には、804グラム、それも手の届くところだけです。足場が悪いので脚立は使えませんから、高いところのものは諦めるしかありません。 ドドメの写真を閉じる

葉陰に隠れたドドメたち  探せば、ドドメはあちこちの野山に成っています。群馬県はもともとが養蚕の盛んな県ですから、桑畑がたくさんありました。過去形なのが寂しいことですが、畑と道の境や、小高いところに残っていて、いずれも老木になったため、たくさんのドドメを成らせている木を見かけます。高崎の観音山、前橋の嶺公園付近などではかなりの量がゲットできます。ただし写真のように、桑の木の幹の側から、できれば木の下で、少なくとも北側から見るように心がけないと、ドドメは葉の陰に潜んで、ついつい見過ごしてしまいます。時期は5月下旬から6月中旬にかけての3週間ですが、「庭の桑の収穫量の推移」を参考にしてください。 ドドメの写真を閉じる

   



 

マルベリー・ホール・ジャムを作るのだ!

 私がドドメ好きだと聞いた人は、ジャムが美味しいですよねと言います。ところでジャムってどういうものを言うんでしょうか?苺や杏のジャムのように、パンに塗って食べるペースト状のものなら、ドドメでは伸びのいいジャムは作れません。ペーストにはならないし、細かく潰して煮ても、圧力鍋で煮ても、サラッとしています。ペクチンという成分の有無の問題と思われますが、同じ桑科の植物では、イチジクが伸びのいいジャムになるのと好対照です。

 ドドメのこの性質を活かして、形を損なわないでジャムにすることができます。大きさは3分の1程度になるものの、ドドメの原形をとどめたユニークなジャムになります。苺やクランベリーなどのベリーと総称する果実のシロップ煮に似ていますが、水を加えずに煮込む点が大きく異なります。『JOY OF COOKING』というアメリカの料理本では、果物を潰して煮たものを preserves と呼んでいますが、水を加えずに原形を損なわずに煮たものには名前がありません。そこで私は、全形のジャムという意味で「ホール・ジャム」と、ときにはトッピング用のジャムということで「トッピング・ジャム」と呼ぶことにしました。どちらも私の勝手な呼称で、世間でどう呼んでいるかは知りません。 リンクを閉じる

  

姿煮のジャム1 姿煮のジャム2  ドドメの柄を一つ一つ鋏で切ってから目方を量って水洗いし、その目方の20から30パーセントの砂糖と、適量のレモン汁を加えます。最初は強めの中火で、煮立ったら弱めの中火で、20分ほど煮ます。原形を保つため、焦げ付きを防ぐ程度に掻き混ぜます。ある程度汁気のあるうちに火を止め、予め暖めておいたジャムビンに保存します。これでドドメの形をとどめたホール・ジャムの出来上がりです。レモン汁は、気持ち多めのほうが美味しくいただけます。左の写真は、今夜から雨という予報で、収穫を急いだ庭のドドメを煮はじめたところ。右の写真はそれを保存容器に移したものですが、色が均一になったのが分かります。 ジャムの写真を閉じる



 鍋は焦げ付きにくいテフロン加工のものがお薦めです。老婆心からの忠告ですが、煮ている途中での味見は禁物です。甘みや酸味をやや控えめにして、出来上がる直前に味見をして調整するようお薦めします。近くにいる家族に味見をしてもらうのもいい方法です。味覚は慣れやすく騙されやすいですから、十分ご注意ください。

ドドメをクラッカーに
 このジャムの食べ方は、もちろん好みですが、ヨーグルト、アイスクリーム、ケーキなどのトッピングに適しています。お洒落なデザートになる、お薦めの方法を紹介しましょう。クラッカーを用意し、1個か2個のドドメを載せて、お茶やコーヒーとともにいただきます。たいていの人が感動して、中にはドドメジャムに挑戦すると言う人もいます。そうしてマルベリー・ジャムって呼ぶほうがハイカラかなって聞くと、そのほうが売れそうだという人と、昔ながらのドドメでいいと言う人と半ばします。 クラッカーの写真を閉じる

 ビンの底のほうに汁が多く残ります。この汁をフルーツソースとして、ヨーグルト、アイスクリーム、ケーキ、ホイップクリームなどに添えたりトッピングしたりすると、素晴らしい色と味が楽しめます。またシフォンケーキなどに入れて、他と違った色合いを作り出すのも楽しいことです。次に述べる潰して作ったジャムも、ケーキなどに応用したら面白いでしょうね。





 

マルベリー・ジャムを作るのだ!

 やっぱりパンに塗って食べたいという人もいるでしょう。かく言う私も、パンが自家製派ですから、ジャムも自家製派です。近くの沼の畔で収穫したものは小粒ですから、潰して煮てジャムにします。このような小さな実から柄を取り除くには、ボールに張った水に浮かべて作業すると、実は浮いて柄は沈むので、作業しやすいです。庭のドドメにも小粒のものがありますから、これも潰してジャムにします。英語式に言えば、マルベリー・プリザーブと言うべきでしょうか。

砕いたジャム1
砕いたジャム2
砕いたジャム3  柄を取って洗ったドドメの目方を量り、その20〜30パーセントの砂糖を加え、レモン汁を適量加えます。ちなみに私は、去年作っておいたドドメサワーを加えています。煮立つまでは、中火の強で煮ながらジャガイモ潰しで満遍なく押しつぶし、煮立ったら中火から弱火にして、掻き混ぜながら煮ます。右端の写真は、潰し終わって弱火にしたところです。20〜30分で、砂糖を除いた部分の目方が50パーセントほどになって出来上がりです。今日は、716グラムのドドメに180グラムの砂糖を加えたものから、550グラムのジャムができました。つまりドドメは約51パーセントになりました。 砕いたジャムを閉じる

 砂糖には殺菌力がほとんど無く、ジャムは保存食ではありません。ですから保存には十分気を使ってください。どれほど丁寧にジャムビンの口を締めたつもりでも、冷えるときに入るわずかな空気に含まれたカビの胞子や、どこからともなくやって来た野生酵母で、かびたり、発酵したりすることがあります。たぶんジャムビンの口の成型と、蓋のパッキングに問題があって気密性が失われるのだろうと思いますが、ドドメ以外にも色々なジャムを作るので、ビンが大量に必要です。そんなわけで、ホームセンターで安いものを買ってくるからでしょう。それと案外忘れがちですが、作った日付、材料の種類と量を記録し、できればラベルに書いて貼っておくとフィードバックできます。



 

マルベリー・サワーを作るのだ!

 我が家では色々な果物を酢と氷砂糖で漬けて、サワードリンクを作っています。これまでに作った中で一番の美味は、枇杷サワーです。ビワは種だけでも構いません。はじめて口にした人は、こんな美味があったかと驚きます。サワーに漬ける果物は、丁寧に水洗いした後、簡単に水切りをします。ドドメは水切れがいいので、梅などの塩漬けや焼酎漬けと違って、ふきんで拭く必要はありません。

 ドドメ、苺、梅、枇杷、葡萄などは、皮ごとそのまま漬け込みます。林檎など、特に果肉の多いものは、皮のついたままを1〜2センチの厚みにスライスします。一般にサワーに漬けた果物は、酢で締まって二次利用しにくいのですが、それを工夫するのが面白みでもあります。リンゴサワーの残りかすをジャムにしようと考えたら、皮を剥いて漬けるほうが楽でしょう。

ドドメサワー
 ドドメ・サワーも、他の果物のときと同じで、ドドメ、氷砂糖、酢を、目方で等量に計って、広口瓶に漬け込むだけです。酢は、安い穀物酢で十分ですが、リンゴ酢ならさらに高級なサワーができます。果物、氷砂糖、酢の順に漬けるのがいいとされますが、どう変えても結果に変わりはありません。 ドドメサワーを閉じる ドドメサワー

 左の写真は、ドドメ582グラム、氷砂糖582グラム、穀物酢418グラムを漬け込んだところで、実は、酢の手持ちが不足したので、後から買ってきて不足分を足しました。右の写真は、漬け込んでから4日目のものです。ドドメ酒に比べると、色の出が早いです。

 漬けたら、直射日光の当たらないところに置いておきます。最初の1週間は、1日か2日に1度ビンを揺すってやります。次の週は、3日か4日に1度、3週目からは思い出したときに揺すってやります。ある日気づくと、実が下に沈み、濃度の違いでできる縞模様がなくなっています。こうなったら完成です。ふたを開けてみると、酢の匂いが失せて、甘酸っぱい香りに変わっているでしょう。酢の匂いを気にしなければ、2〜3週間で飲めます。

 サワーは、実を漬けたまま常温で保存できます。液と実を別けた場合は、実は冷蔵庫に保存してください。漉してかすを取り除きたい場合は、キッチンペーパーを濾紙にして、コーヒーのフィルターを利用すると巧くいきます。コーヒー用の濾紙を使った場合は、目詰まりして濾過に時間がかかります。別けて保存する場合は、液の入った容器に、マルベリー・サワーであることと、付けた日付、材料の種類と量をラベルしておくことをお薦めします。

 サワーは、冷たい水で6〜7倍に薄めて飲みます。ドドメ・サワーを洒落たワイングラスでサービスすると、赤ワインと勘違いする人がいるでしょう。マルベリー・サワーと呼び変えたい瞬間です。クラッカーにドドメジャムを載せて一緒にお客さんに薦めたら、きっと素敵な驚きと喜びが帰ってます。もてなす相手の喜びは、自分一人の喜びの何倍も嬉しいものです。

 一般にサワーは、ゼリーにすると夏の洒落たデザートになります。ドドメサワーで作ったゼリーは色そのものが新鮮ですが、さらに中にドドメを一粒入れておくと、話題性もあって、食卓が和やかになるでしょう。例えば林檎サワーなどの、色や香りの異なった果物のサワーにサワーから取り出したドドメを入れるのも面白いですよ。美味しさは多分に視覚で決まりますから、見た目を特に大切にしたいものです。

 ドドメ・サワーには、もう一つ大切な用途があります。ドドメジャムを作る際のレモンの代わりに使うのです。林檎サワーや梅サワーでも代用できますが、ドドメにはドドメが一番合うでしょう。去年の段階で、1年後を見据えて準備しておきました。元々はせっかちな人間ですが、美味しいものを美味しく食べるには、熟成という時間が必要なことを学びました。1年は、過ぎ去ってみると、つい昨日のようです。

 サワーの残りかすのドドメはどうしたらいいんでしょう?ドドメばかりか、ブルーベリー、葡萄、特にスチューベンやベリーAのような色の濃いものは、ジャムに再生したいものです。酢から取り出したドドメを熱湯に浸けて、1〜2時間後に取り出すと、酸味が薄らいでいます。色の衰えは、ドドメのホールジャムの汁を加えて煮ることで、程よく取り戻せます。

 梅サワーの梅を、梅酒梅のように食べると美味しいですが、ドドメも同じです。多少酸味が勝ちますが、苦になるほどではありません。捨てるのはもったいないですから、ゼリーに入れたり、サワーに、1〜2粒入れるか添えるかするといいですね?ホールジャムと同じように、クラッカーやヨーグルトに載せても中々です。

 一つだけ付け足します。氷砂糖の代わりに蜂蜜を使いたいがという質問がありました。蜂蜜はそれ自体に香りがあって果実の香りと競合しますし、酸化作用(もしかすると還元作用)があるようですから、私は作りません。どうしても漬けたい場合は、蜂蜜を氷砂糖の目方よりも5割以上増やす必要があります。果実1キロなら、蜂蜜は1.5キログラムから2キログラムの間で調整するとよいでしょう。蜂蜜は商品によって味香りの他、水分含有量にも違いがあるようです。自分の望む味と香りをしっかりイメージしてから取り組んでください。



 

マルベリー・ワインを作るのだ!

 ドドメ酒の作り方は、梅酒やレモン酒の作り方と変わりません。ドドメ・サワーと少し違うのは、35度のホワイトリカーの比率が、酢のように等量ではないことです。ドドメと氷砂糖は等量とし、ホワイトリカーはその両方を合わせた量と、等量から80パーセントの間で調整します。酒への甘みの好みは幅が大きいですから、比率を変えてください。食べてみてドドメに酸味が無い場合は、レモンのスライスか絞り汁を少量使うといいでしょう。ほんのり感じる程度の酸味があると、酒はいっそう美味しくなるものです。私はある程度熟成が進んでから、味を見ながらドドメサワーを混ぜることにしています。今年サワーを作っておくと、来年が楽ですし、楽しくなりますよ。

 私の漬けた例を参考にしてください。まずドドメは洗い上げて水切りしたものが405グラムと半端ですが、400グラムと看做して漬け込みました。サワーとは異なり、ていねいに水切りをします。でも拭き取るのは、果実にできた傷から果汁がにじみ出て、手や衣服を汚す恐れがありますから、ざるや網に入れて数分置く程度でいいでしょう。

ドドメ       400グラム
氷砂糖       400グラム
ホワイトリカー   720ミリリットル

1年後の桑の花 1年後の桑の花  以上を1.6リットルの広口ビンに合わせ、サワーと同じように、直射日光の当たらないところに保存します。ドドメ酒の場合は、たまにしか揺する必要はありません。写真は、5月28日に漬け込んだ直後のものと、2日後の5月30日のもので、色はまだ十分に出ていませんが、先が楽しみな感じです。 ドドメ酒の写真を閉じる

 出来上がりの判断は、サワーの時と同じで、実が沈んで、濃淡の縞模様が見られなくなったころが完成です。酒ですから、サワーほどは甘酸っぱい香りにはなりません。なおせっかちな人は、2〜3週間で味見をしてみてください。けっこう大丈夫です。

 飲み方は...、酒に関係する仕事をしていた頃から、酒の飲み方は自由であるべきだと考えてきました。酒ばかりでなく何事もあなただけの独自の接し方で、色々な楽しみ方やもてなし方を工夫したらいかがでしょう。私が飲んで美味しかったのは、ソーダ水で割ってレモンを添えたものです。出がらしのようなドドメがひと粒入ると、見た目に映えます。

 酒と実を別ける方法も、保存の方法もドドメサワーの場合と同じです。もし別けて保存する場合は、それがドドメ酒、つまりマルベリー・ワインであることと、漬けた日付、ドドメ、氷砂糖、ホワイトリカーの量をラベルしておくことをお薦めします。(正確には、マルベリー・リキュールと言うべきでしょうが、拘らないことにしましょう)




 

独自のマルベリー・ケーキを作るのだ!

 すでにサワーを使ったゼリーを提案しましたが、マルベリー・ケーキを作るのは私ではありません。このサイトをご覧の皆さんです。私の『美味工房』などをヒントに、ドドメをケーキ材料として使ってはみていかがですか。ドドメは自由な食材です。自由とは、誰のものでもなく、野からの収穫は無料であるとともに、使い方も束縛されません。あの色を活かしたケーキやクッキーを想像してみてください。サワーの味と色のクッキーなんかどうですか?料理を引き立てる食材としても使ってみたらいかがでしょうか。 リンクを閉じる

 皆さんが創造したマルベリーの新しい世界を、ぜひ多くの皆さんに広めてください。一人でも多くの方が、ドドメに関心を寄せるとともに、桑を食草としている蚕という虫が吐き出す生糸の生産量が、ここ群馬県が古くカミツケの国であったころから日本一であることにも思いを寄せるよう願っています。人は過去を捨てることができません。だったら、過去をもっとよく知ろうじゃありませんか。それが未来を知る知恵を育みます。




 

桑やドドメには秘めた可能性があるのだ!

 桑の効能と言うと、何か商用サイトの宣伝のようになりますが、このサイトで私の得るものはありません。いや、桑やドドメに対する関心を呼び起こせたとすれば、ドドメ愛好者が一人でも増えたとすれば、ドドメ以外でも果実のジャムやサワーを作る人が増えれば、得たものは大きいと言えます。蛇足ですが、健康に良いという理由で蚕の糞を飲んでいる人もいます。私たちは、手軽で衛生的な方法を選び、蚕の糞愛飲者にもこの方法を薦めましょう。

桑の効用  桑の葉と実に含まれる有用な成分と効能について、「グリーンフラスコ研究所」のメディカルハーブデータベースの「マルベリー」に詳しく載っています。第25回全国都市緑化ぐんまフェア前橋公園会場のマルベリー・ハウスのリーフレットにも「桑の効用と活用」が載せられていました。スキャンして転載しましたのでご覧ください。桑を健康茶にした商品がありますが、この分析結果を見ると、なるほどと納得します。ドドメサワーは、桑の実の良い成分に加えて、酢を積極的に飲める点が優れています。桑の葉にはどんな利用方法があるのでしょうか。 リンクを閉じる 桑の効用を閉じる

桑の若芽3
桑の若芽2
桑の若芽1
 桑の葉は、食材としても保健材料としても優れています。天ぷらにしていただくのが一番取っつきやすく、特に新芽の天ぷらは、味も食感も良好です。葉を乾燥させたものを砕いて、フライパンで軽く煎ると、独特の香りと味わいの深い桑茶ができ、時おり飲んでいます。焙煎しないで飲んでも、刺激の無い、柔らかな味わいのお茶になります。商品としては、桑茶の他、桑の葉を乾燥して粉末にしたものが販売されているそうです。写真は左から、剪定に際して摘み取った桑の若芽、それを水洗いしたもの、一部を天ぷらにしたものです。桑の若芽の天ぷらは美味しいですよ。 桑の若芽の写真を閉じる

桑のお茶1 桑のお茶2 桑のお茶3  本格的な方法は、引き続き改めて記すことにしますが、桑の主に新芽を簡単にお茶にする方法があります。水洗いしたものをそのまま乾燥させるか、蒸してから乾燥さたもの(写真左)と、それをフライパンで炒ってほうじ茶にしたものです。焙じないものは、乾燥したままでお湯をさして飲みます。焙じるには、乾燥させた葉をある程度砕いて(写真中)火が通りやすくします。右端の写真が焙じ茶にしたものです。 桑の若芽の写真を閉じる




 

本格的に桑の茶を作るのだ!

 桑茶を本格的に作るには、健康効果をしっかりと認識したうえで作業を進める必要があります。生半可な気持ちでは、面倒になって嫌気がさすことになります。自分にとって、家族にとって、愛する人にとって、大変役に立つのだという確信を持って作業します。

水洗いした桑の葉
 まず蝕まれていない桑の葉を丁寧に水洗いしてから、ざるなどに重ねながら広げて、水切りをします。左の写真は、61枚の桑の葉を洗ってざるで水切りをしているところです。桑の葉は水切れがいいので、この状態で1〜2時間後には次の作業にかかれます。 桑の葉の写真を閉じる

桑の葉の前処理
桑の葉の陰干し  葉の茎を木綿糸で縛るか縫うかして、同時に何枚も干すことができるようにします。私は布団針を使って、絡めながら縫っていますが、もっと簡便で、風で飛ばされないような方法を工夫してください。いずれの方法でも、葉の向きが揃うようにします。桑の葉は日向にあったものですから、日向干しでも差し支えないと思ってやってみたところ、葉っぱがかさかさに脆くなって、細かく切ることができませんでした。 昔から煎じ薬は日陰干しとされていますので、日陰干しにしましょう。このとき、葉の表から風が当たるように干し方を工夫します。 桑の葉の写真を閉じる

桑の葉を切る 桑の葉を切る 桑の葉を切る  桑の茶を粉末にしないで急須でいれる場合は、葉を刻むという作業が必要です。よく研いだ包丁と牛乳パックの開いたものを用意します。乾燥した葉の茎(葉柄)を鋏で切り捨てて、葉だけを牛乳パックのまな板の上で、延ばして重ね合わせます(写真右)。程よい厚みにして、包丁で5ミリ前後の幅に切り(写真中)、さらに横にして同じように切って小さくします(写真左)。 桑の葉を切る写真を閉じる

刻んだ桑の葉の熱処理  粉末にする場合は乾燥したままの葉を紙袋に入れ、刻んだものも同様に紙袋に入れて、口を締めずに電子レンジで加熱処理します。好みによっては、この処理は省略できますが、保存性を高めるためと、粉末にしやすくするためには、必要な作業です。私は紙袋の手持ちがなかったので、ボリ袋を使いました。葉の量にもよるでしょうが、1分程度でいいと思います。

 焙じない桑茶は、これで完成です。茶筒などに保存します。 桑の葉の写真を閉じる

桑の葉の焙煎1 桑の葉の焙煎2  桑茶を焙煎するには、フライパンを使います。加熱処理をした桑茶は大変もろいので、壊れて粉にならないように注意しながら、満遍なく火が通るようにします。それには、フライパンの柄の近くにガスの火が当たるようにし、柄を高く保ってフライパンが斜めになるようにし、竹などのへらや杓文字で葉をすくって、フライパンの柄のあたりに落とすようにして上下を入れ替えます。これを繰り返して出来上がったのが右の写真です。深要りになってしまいましたが、もう少し浅要りのほうが香りが良いでしょう。茶筒などに入れて保存します。 桑の焙じ茶の写真を閉じる

桑の葉の焙煎1  桑茶の粉末を作るには、煎茶を粉末にするときに使う小型のミルを使います。葉をできるだけ細かく砕いて、ミルに入れて粉砕します。もし茶うすが手に入るようなら、もちろんそのほうが良好な粉末が期待できます。粉になったものを、細かい篩にかけると、さらに飲みやすくなります。絹の篩が望ましいのですが、入手困難なため、百円ショップで買った裏ごし器を使っています。

 「お茶を挽く」という言葉は、遊里で客のつかなかった女たちが、茶うすでお茶を挽いて茶屋の収入を助けたことから出た言葉だそうです。私たちは無報酬でお茶を挽くわけですが、写真のものは、61枚の桑の葉が、1枚だけムダにしましたが、たった52グラムにしかなりませんでした。ウェブ検索によると、100グラムで5250円とのことですが、手間ひまを考えると、まあリーズナブルな価格かもしれません。 桑の焙じ茶の写真を閉じる

 桑の葉の粉末を飲むには、他のものに混ぜてしまうのが良いようです。ヨーグルトや納豆、青汁などが手っ取り早いですね?少しだけピザ生地に入れたことがあります。色は淡い緑になりましたが、味はほとんど変わりませんでした。ご自分の食生活にあった食べ方をすれば良いでしょう。




 

草木染めもやってみよう!

 桑の思いがけない可能性は、草木染めです。ドドメの色はいわゆるドドメ色ですが、木綿をドドメの生の汁で染めれば、藤色から紫色までのグラデーションが楽しめるでしょう。問題は色止めですが、酢がいいとも言われます。酢酸の定着作用かもしれませんが、私は試みていません。どなたかの研究が望まれます。

 桑の葉を銅イオンを使って煮出した液に浸して煮ると、緑色を期待していたのですが、実際は暖かみのある黄色になりました。金属イオンを変えると、異なった色合いを楽しめるそうですが、私は銅イオンしか試みたことがありません。絹のハンカチやスカーフ、絹の切れ端で、ちょっとした冒険をしてみませんか?糸で絞るのが面倒なら、輪ゴムで絞っておくと、そこだけ色が着かずに浮き上がります。

 草木染めには、桑の木の皮も使えます。と聞いたことがあるので、剪定したり、間伐した木の皮を、取りあえず干して保存しておきました。いずれ機会があったら、試してみようと思います。草木染めに興味のある方は、専門のサイトがあるそうですから、検索してみてください。




次のサブウィンドウを閉じます

横長の写真  縦長の写真  管理の仕方  効用と活用  外部リンク




今年もドドメの季節がやってきました。
ドドメ、洒落て言えばマルベリーに初めて接する方々にも、
子供の頃、親に叱られながらもドドメを食べたことのある方々にも、
私なりのドドメ情報をお届けすることにしました。
栽培、収穫、加工、保存などで、参考になればと願っています。

ドドメはさほど甘くもなく、子供のころ感じたほどには美味しくありません。
一粒食べて、何だ詰まらないと、諦めてしまわないでください。
ほんのひと手間加えるだけで、デリケートな食材として現代によみがえります。
ドドメには、特にこうしなければならないというオキテがありません。
自由な発想でお楽しみください。

2008年5月30日 初回掲載
2008年6月1日〜16日 加筆


検索エンジンで来られた方は、ここからフレームのインデックスを開いてご覧ください。
なおメインウィンドウをモニターの左端から多少離して開いておくと、
写真やリンク先のページが見やすくなります。



黒猫シャノワール :



           
          リンクを閉じる

ページのトップへ


姉妹サイト  美味工房  ごみ工房  からだ工房  フォト工房  住まい工房  むだ工房 日本語工房   英単語工房  画像掲示板